▲ソースかつ丼800円/お父さんから譲り受けた秘伝の味
▲ギョウザカツ750円/ギョウザの具を薄切りロースで巻き、からりと揚げた逸品
▲ラーメン500円/煮干しの香りがホッとさせるラーメン。卵焼きが入っている。
▲自家農園で収穫された野菜。ご両親が心を込めて育てている。
▲ご主人の長谷川弘幸さんと、奥さまのゆみ江さん。
美由希食堂
会津若松市米代2丁目7-18
TEL0242-27-1629 FAX0242-26-7777
営業時間/11時〜20時
定休日/水曜日
駐車場/15台
昭和39年創業のなつかしいお店
街の通りにある「美由希食堂」は、昭和39年に創業。2代目の長谷川弘幸さんが受け継いで15年になる。奥さんのゆみ江さんと従業員の方とでお店を営んでいる。
ユニークな店内の造りが目を引く。小上がりと椅子の席がほど良く入り組み、つい奥の席はどんなだろうと目が行く。昔の測りや大きな壷などの骨董品が所々に置かれている。不思議な郷愁に誘われる店だ。
採れたてキャベツとソースかつ
42年続く美由希食堂のソースかつ丼には定評がある。やわらかくしっとりとした味のロース肉。長谷川さんのお父さんの代からの秘伝のソースはしっかりとした甘味があり肉の旨味を引き立てる。衣は注文がきてからつけ、植物油でからりと揚げる。
とんかつの下に敷かれたキャベツは、自家農園で栽培したもの。採れたての新鮮なしゃきしゃきとしたキャベツが嬉しい。
野菜はご両親が作っている。ネギ、大根、じゃがいも、白菜。お店のほとんどの野菜は旬のものを使い、味に深みを添える。
美由希食堂のもう一つの名物は「カツギョウザ」。餃子の具を薄切りのロース肉で巻いて揚げたもので、30年前にお父さんが考案した。「酢じょうゆで食べると美味しいですよ」と長谷川さんがすすめてくれた。つけ合わせのポテトサラダももちろん自家製。お父さんの作ったじゃがいもにはホッとするやさしい味がある
ふらりと訪れる常連さんをあたたかく迎える店
長谷川さんの冬の楽しみは、スキー。「シーズンになると毎週行ってしまいます」。シーズンオフの時には身体を鍛える。
出前の時に、階段を2段飛びしたりしてます」と笑う。引き締まった身体でスポーツマンタイプのご主人。笑顔のきれいな明るく優しい印象のゆみ江さんとお似合いのご夫婦だ。
美由希食堂の営業時間は11時から夜の8時まで。休み時間はない。夕方近くにおばあさんが一人、訪れた。近所の常連さんなのだろうか。何の迷いも見せずに窓際の席につく。
ゆみ江さんの「ラーメンですね」と言う声に小さくうなずき、テーブルに目を落とした。ほどなく煮干しのいい匂いをさせて運ばれてくる。コトリと置かれたラーメンをおばあさんは静かに食べはじめる。丸い背中のあたりが次第に柔らかくなっていく。その後ろ姿はまるで映画のワンシーンのように見えた