このサイトは2001年〜2007年に取材、掲載したものです。現在の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

ビール工房 洲魯花(すろうばん)

清らかな水と新鮮な酵母が醸し出す、会津麦酒。職人の思い入れを感じながら、乾いたのどを潤す。

季節の郷土料理

入り口の左手に貯蔵タンクが見える。「ピルスナー」「ダークラガー」「ヴァイツェン」の3種類ほか、期間限定商品もある。1階フロアでは地ビールと薬膳茶の販売もしている。地ビール(330ミリリットル・450円)薬膳茶(1,400円)

鰊の山椒付漬け

「お試しセット」のシートにはそれぞれの味わいの解説がある。読みながら味わうと、一層おいしく感じられるかもしれない。会津の民芸品・赤べこをデザインしたグラスもかわいらしい。地ビール(480円)

囲炉裏端

パスタやピザには、東京国分寺の「せもりな」から伝授されたレシピをもとに作られた自家製の生地を使用。ちょっとだけおつまみが欲しいときには、プレッツェルがおすすめ(280円)

木のぬくもりあふれるウッディな店内で
会津の水を使った地ビールを。

旅先で味わうビールはうまい。さんざん歩いた後に味わう1杯なら、なおさらだ。
「ピルスナー」「ダークラガー」「ヴァイツェン」。3種類の地ビールのうち、どれをオーダーしようか迷っていたら、「お試しセット」(780円)を薦められた。3種類の地ビールをミニグラスで味わえるから、好みを見つけやすいし、価格もお得なセットだ。
早速飲みくらべてみる。国産ビールの「お手本」になる味わいだけあって、「ピルスナー」は、さわやかで飲みやすい。「ダークラガー」は、焦がした麦芽が香ばしく、ほのかな甘みとの相性も良い。そして、「ヴァイツェン」は、コクがあり、バナナのようなフルーティーな香りがする。この香り、フレーバーなのかと思いきや、発酵の過程の中で醸し出される天然のもの。その秘密は、原料の半分以上を占める小麦麦芽と、このビールのための特別な酵母にあるという。
「実は『ヴァイツェン』が、うちのビール職人がつくりたかった味なんですよ」
と、案内してくれた鈴木マネージャーが言う。そう言われて、「ヴァイツェン」をもう一口飲んでみる。フルーティーな香りと豊かなコクが歩き疲れた身体に心地よく染みわたっていく。その味わいの中に、職人の思い入れを確かに感じた。

多くの人に楽しんで欲しい、
そんなメッセージを感じるメニュー。

ビールには、やはりソーセージが合う。プリプリッとした食感を楽しみながら、改めてそう思った。程良いモチモチ感のある生地に、ジューシーなトマトを乗せた「会津のトマトたっぷりピザ」(880円)もうまい。「会津牛のサイコロステーキ」(980円)も、肉質がやわらかで旨味もゆたか。地元産の牛を使っているから、品質も安全性も保障付だ。6~10月にかけては、市内の農家から仕入れた枝豆もあるという。全部は難しくても、できるだけ地元産の素材を使おうという心意気が伝わってくる。
おもしろいのは、薬膳メニューだ。カレーやピラフのライスに、中国の古代米である「黒米雑穀」が使われている。味わいは普通のライスと変わらないが、炊くと紫色になる。血液をさらさらにする効果があると言われ、女性を中心に人気だという。
職人がつくりあげた地ビールと一緒に、地元産の素材や健康に良い素材を使い、おいしく仕上げた料理を味わって欲しい。少人数の客から団体客、観光客から地元客、老若男女全ての人に「洲魯花」の料理を味わって欲しい。ウッディなぬくもりあふれる店内からは、店からのそんなメッセージが感じられた。
欲張りなメッセージかもしれないが、「洲魯花」には夢と希望がある。新しい会津の食文化を育てていこうという気合いが伝わってくる。

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ビール工房 洲魯花

会津若松市七日町6-21
TEL(0242)24-3800
営業時間/AM11:00~PM10:00
ランチタイム/AM11:00~PM2:00
宴会・パーティー/4~50名
         1,500円~(ドリンク別)
定休日/木曜