▲鴫山(しぎやま)/8コ入750円
長沼の家紋の入った鴫山
▲鴫山羊羹/1本1,050円
甘味に透明感がある鴫山羊羹
▲苺ショートケーキ/1コ250円
苺が光る美しいケーキ。
▲DXチョコケーキ/1コ320円
斬新な模様のデラックスなチョコレートケーキ。これは食べがいがある。
▲黙々と仕事を続けるご主人の星信夫さん。「さあ、これから焼きますよ」
田島町 三浦屋菓子店
地元のお客さまを大事にしたいと願う
老舗のお菓子屋さん。
ご主人、奥さん、娘さんのかけ合いも楽しい仕事場は、明るく活気にあふれている。
福島県南会津郡田島町谷地甲7
TEL/0241-62-0131
■営業時間/9時から19時
■定休日/不定休
■駐車場/3台
焼き菓子、銘菓鴫山(しぎやま)
田島には愛宕山の名峰があり、中腹に鴫山城跡が残っている。城主長沼氏の紋章を浮き彫りにした銘菓鴫山は、長年の研究と改良の結果生まれたお菓子である。純良バター、卵、クルミ、レーズンがたっぷり入り、サブレーの味が生かされた新しい感覚の焼き菓子だ。
作っている所を見せていただいた。奥さんが皮を等分し中にあん種をいれて丸めていく。それをご主人が型に入れ、あっという間に平たい形にする。それを焼き皿にのせていく。「焼きたてを召し上がってみてください。普通は絶対食べられませんよ」そう言って娘さんはアツアツの鴫山を目の前に置いた。フワッとバターのいい香りが立つ。焼きたてならではのパリッとした皮。ほどよい甘味のミルキーなあん。それらが一つになって口の中で踊る。時間を置くとしっとりしてくる。皮もあんもほどよく落ち付き、安定する。銘菓鴫山の完成である。
目を見張る評判のケーキ。
職人堅気のご主人、星信夫さん。明るく大らかな奥さんの恭子さん。二人をとりもつ娘さんの樋口浩江さん。お店はこの3人できりもりしている。評判のケーキを見せていただく。ご主人が生地を担当し、奥さんがデコレーションする。まずこのデコレーションに目を見張る。勢いがあるのだ。一つ一つの形にキレがある。「ケーキは生クリームとスポンジ台で決まります。香りづけに洋酒を使い、純度の高い生クリームを使っています」そう言う奥さんは、素晴らしい感性の持ち主だ。「母は昔からものを作るのが好きなんです。私が小さい頃には胸に刺繍が入った洋服を作ってもらったこともあるんですよ」娘さんはお母さんを語る時、愛おしそうな目をする。
計量カップで計ったような堅実な仕事をするお父さん。ひとつひとつの模様が少々違っても思い切りのいいデコレーションをするお母さん。そんな二人を見て育った娘さんは、バランスのとれた仕事をするのだろう。
「うちのケーキは和菓子屋のケーキなんですよね」フワフワというよりしっとりとしたスポンジ。甘さをおさえた後味がスッキリとした生クリーム。大粒の苺はシロップでコーティングされツヤツヤと光る。毎日10種類ほどのケーキが並ぶ。
誕生日や記念日のオリジナルケーキにも腕を振るう。「注文してくれたお客さまとお話をして、どんなふうに作るかをイメージします。それをもとに一つ一つ丁寧に仕上げていきます」物を作るにはイマジネーションが大切である。ケーキも同じことなのだ。