下郷町 浅井菓子店

「この店でしか売っていないものを作りたい」。
祈る思いで考案された「生クリーム大福」は、
あっというまに評判になる。

福島県南会津郡下郷町豊成林中6078
TEL／0241-67-2105
■営業時間／7時30分から19時30分
■定休日／年中無休（元日のみお休み）
■駐車場／10台

評判の生クリーム大福とプリン大福

店内には、年代ものの絵皿に十念大福、どら焼き、しそ餅、くさ餅など何種類もの和菓子が並ぶ。
そのほとんどがが昔ながらの手作りである。
お店の名物は生クリーム大福。4代目のご主人、浅井卓二さんが5年前に考案したものだ。つぶあん、カフェオーレ、十念、バナナ、抹茶、ごまの6種類がある。ひとつひとつ見ていくのが楽しい。小振りに造られているので食べやすく、好みの味をいくつか楽しめるのも嬉しい。生クリームを使っているため、ショーケースは専用の冷蔵庫になっている。
つぶあんをいただいてみた。口に含むと冷んやリと柔らかい。生クリームが優しくあんとからまる。お茶を飲みながら食べ終えると「美味しかったな」という余韻が口の中に残る。
プリン大福もある。生クリーム大福とともに学校帰りの高校生に評判がよく「やはり夏が特に売れる。口込みで広がってお客さんが来てくれるのが何より嬉しいです」｡

各種パン、玄米パンもお薦めです。

お店ではパンも作っている。クリームパン、メロンパン、とんかつパンなど7種類のパンが並ぶ。
おすすめは玄米パン。無添加である。
昔は田植えの時期の季節限定のものだった。田植えの合間のおやつとして喜ばれたという。今は年間を通して作っている。
見るからに旨そうなうすいベ−ジュ色のパンを手に取るとほのかに玄米のいい香りがする。二つにわってみる。ふんわりとした皮の中にあんがきれいに納まっている。粒あんのほど良い甘さが、どこかなつかしい素朴な味の皮と良く合う。

製造から販売まで。ご主人と奥さん、お母さんの3人でガンバッてます。

店内の一角に喫茶コーナーがあるのも嬉しい。
「この辺りにはカフェなどがあまりないので、お客さまには喜ばれます」と微笑む店員の池田長子さん。
えんじ色の正方形のテーブルは大理石、重みのある質感が、落ちつかせてくれる。お抹茶をたてていただいた。
一息ついて窓の外に目をやる。遠くに山が見える。お土産やさんが見える。
スッキリとした清潔な空間に静かな時間が流れていく。