▲倉村まんじゅう
1コ65円/特大1コ210円/10コ入750円
特大の倉村まんじゅうは、アッと驚く大きさだ。
▲そばまんじゅう
1コ85円/12コ入1,100円
地元のそば粉を練りこんだ「そばまんじゅう」
真ん中はくるみでお化粧してある。
▲尾瀬娘 1コ65円/10コ入750円
当代舗主が生み出した名菓「尾瀬娘」
▲いしごろも/10コ入り525円
あんこを固めて石のようにした昔ながらのお菓子
▲ご家族/お母さんの皆川美津子さんと娘さんの美佐さん。5才の美和子ちゃんと4才の顕(けん)くん。
顕くんは、あんこ大好きの「あんこ大臣」だ。
下郷町 笹屋皆川製菓本舗
あんこ練り3年、つつみ3年。
こだわりつづける「手づくりの味」。
手でこねてせいろで蒸して生まれる、まんじゅうたち。
福島県南会津郡下郷町弥五島道上3340-3(塔のへつり店)
TEL/0241-67-2648
■営業時間/夏 9時30分から18時
冬 10時から17時
■定休日/年中無休(元日のみお休み)
■駐車場/10台
創業は天保年間。
その昔、参勤交代途上の殿さまにも評判だった「清寿まんじゅう」。元祖皆川清寿が製鋪を始め、その評判は、日光街道一円に賞されたという。後に本舗を下郷倉村に移し、「倉村まんじゅう」の愛称で呼ばれるようになり、広く賞味された。
現在も下郷町で作られており、観光名所「塔のへつり」の近くに店舗を構えている。和風の落ちついた印象のお店には、幾種類もの手作りの和菓子が並ぶ。
お店の味は家族の味。
伝統の味を受け継ぐ日々。
70歳を越え、疲れやすくなったお父さんをいたわり、お母さんを中心に娘さんが加わり、家族3人で伝統の味を守る。自慢は全て「手作り」だ。
「昔からあんこ練り3年、つつみ3年といいます」とお母さん。
伝統の味を守り、それを継承していくことの大変さがよくわかる言葉だ。
お父さんは、8代目の皆川正監さん。今でこそ現場には以前ほど顔を出さないが、ここぞという時に力を発揮する。
「あんこの火の止め方は一発よね」
お母さんの皆川美津子さんと娘さんの渡部美佐さんは顔を見合わせ感嘆するという。
「倉村まんじゅうは、昔ながらの茶まんじゅうです。小豆は一等のもの、砂糖は三温糖を使い一つ一つ手で作っているんですよ」
お皿に2つの倉村まんじゅうを並べていただいた。手ごろな大きさのものと特大のものと。大きいほうを手に取り半分にわるとフワリと優しい香りがする。程よい厚さの皮の中にあんがきれいに詰まっている。見事だ。ひとくち、またひとくちと食べ進む。程よい塩加減が爽やかにあんの甘さを引き立てている。疲れた身体を癒してくれるようなホッとする味だ。
「お嫁に行きましたが跡は継ぎます」
と娘さんはキッパリと言う。
「小さい頃の思い出は、せんたくものがおまんじゅうの匂いがしたことです」
学校へ行くと身体中おまんじゅうの匂いがするようでイヤだった。けれどいつのまにかそんなこともなくなっていく。
「父や母、一緒に働いている人たちを自分なりに見続け受け入れられるようになったんでしょうね」
一時は東京でやりたいことを見つけようとしたこともあ った。けれど下郷に戻ることを決め、お父さんの下で修業するようになる。その後お嫁に行き現在、妻であり2人のお子さまのお母さんでもある。
「忙しいですが、まんじゅう作りは手を抜きません。苦労したことですか。いっぱいあります」と朗らかに笑う美佐さんだ。