神禧堂薬館
板など約85点の薬看板が掲げられている「金看板史料館」。
12代目・神山喜郎さんが、館内の展示物や当時の様子をわかりやすく説明してくれる。
2階の応接間に飾られた奥会津出身の絵師・佐竹永海の絵屏風。
薬膳処「神禧堂」で、会津の郷土料理をとりいれた薬膳料理を味わうことができる。1,800円、要予約。
2003〜2004冬【第八巻】新撰組と白虎隊の足跡 08
神禧堂薬館
江戸から続く商家に残る、歴史あるものの価値。
会津若松市上町3-24
TEL.0242-22-0237
金看板史料館
■営業時間/AM9:00〜PM5:00
■定休日/1月1日
■入館料/300円
■駐車場/2台
江戸時代より続く商家。明治時代から薬屋として、現在に至る
創業は元禄年間(1688〜1703)、当時は仙台屋と称する会津藩御用の「正阿弥細工仕入所」であったのが、神山家の商家としての始まりである。
正阿弥細工仕入所とは江戸時代、武士の必需品であった刀の鍔(つば)を販売していた店のこと。
幕末期から、時代の流れにあわせて生活用品の販売を始め、かたわらで薬の販売をはじめたのが、薬店としての始まりである。
その後、薬の販売が主流となり、現在12代目神山喜郎さんへと代々受け継がれてきた。商家として長い歴史のある家である。
店舗は明治36年に建造された蔵で、戦後何度か改修されてきたが、会津復古会加盟を契機に畳式の店舗になった。昔ながらの商家の店蔵の暖簾をくぐると、座敷の一角には格子帳場、うるし塗りの階段や薬だんすがある。
2階は「金看板史料館」となっており、入館料300円で、神山さんがわかりやすく説明してくれる。
当時店前に掲げられていた看板が、約85枚展示されている。
昔は、薬メーカーから買い付けた看板を使って商売をしていた。
文字などの部分に金を使ってつくられた高額な金看板は、当時のこの店の繁栄と財力を物語っている。
明治から大正・昭和初期までのものがあり、金看板からホーロー看板、からくり看板などがあり、それらを見れば当時の時代背景が分かる。神山さんの楽しい話のおかげで、見どころが分かり、興味をそそられていった。
また、2階の応接室として使われていた当時のままの造りがある。黒柿の塗りが見える欄間と書院造りの立派な部屋には、茶道具や屏風なども展示されている。
薬屋ならではの薬膳料理が食べられる
敷地内の「薬膳処 神禧堂」では、薬膳料理が9品つくコースを味わうことができる(要予約・1,800円)。
会津の郷土料理をベースに、薬品店ならではの漢方薬などを取り入れた内容で、生薬に漬けた食前酒、会津産薬用人参を使った天ぷら、こづゆや白がゆなど、体に良いものがおいしく味わえる。
昔ながらの造りで趣のある和室で、ゆっくりと味わいたい。