お秀茶屋
田楽盛り合わせ(6本)700円。
定番の餅やニシン、生揚のほか、秋・冬には里芋が味わえる。
ぷっくりと焼き上がった餅は、やわらかいという表現では伝えきれないほどのふわふわとした食感。
ぜひ味わって欲しい一品だ。
囲炉裏の前で、じっくりと串を焼きあげるご主人。
店奥には座敷があり、外の景色を眺めながら、ゆっくりとした時間を過ごせる。
2003〜2004冬【第八巻】新撰組と白虎隊の足跡 07
お秀茶屋
江戸時代からの会津の味覚。
会津若松市東山町大字石山字天寧308
TEL.0242-27-5100
■営業時間/AM10:00〜夕方まで
■定休日/不定休
■駐車場/7台
囲炉裏で焼きあげる、会津名物の田楽
お秀茶屋の田楽は、身欠ニシンや餅、コンニャク、生揚などの地元の食材を竹に刺し、自家製味噌を塗って、囲炉裏の炭火で焼きあげている。
ご主人がじっと囲炉裏に座って、一串ずつ焼きはじめると、店内には香ばしい香りが漂う。
「田楽の盛り合わせ」をいただいたのだが、中でも私が一番気に入ったのは、餅。
やわらかい、という言葉では伝わらないほどふんわりとしていて、口の中でやさしくとろけるような食感。これには驚いた。
「すごくやわらかいですねぇ。おいしい〜!」とご主人と話ながなら、もったいなくてしみじみ味わっていると、隣の席で、無心に頬ばっていた餅好きのカメラマンに一串横取りされてしまった。カメラマンはすでに三串目なのに、いくらでもいけるような顔をして頬ばっている。
餅は「このやわらかさが自慢」というご主人こだわりの一品。
ご主人が毎朝ついている。固めの場合は弱火でじっくり、つきたての場合は、強火で短時間で、など焼き方も工夫している。
昔ながらの味を保つため、同じ作り方で継ぎ足して作っているという自家製味噌は、甘くてコクのあって、まろやかでやさしくて、旨い。
ぜひ焼きたてのあつあつのうちに味わって欲しい。
今度会津に来るときは、必ずここに立ち寄って、餅を食べよう。
今度は誰にも邪魔されないように、お腹いっぱい食べてやろうと心に誓った。
ほかにも、メニューには、会津地方では昔からごちそうと言われるそばや餅など、伝統的なおもてなし料理が揃っている。
江戸時代からの続く、歴史の長い茶屋
創業は延宝年間(1673〜80)の老舗。
江戸時代には白虎隊の武士や旅人の御用達だったそうだ。
当時は、店の脇を通る道が、白河街道に続くものだったため、ここに立ち寄って腹ごしらえをして行ったという話がある。
店内に入るとすぐに、大きな囲炉裏があり、奥には広い座敷もある。
座敷の窓から庭が見え、のんびりとした時間が過ごせる。
天気が良ければ、縁側に座ってお茶をすすりながら、田楽をじっくり味わって欲しい。