喜多方には、いくつかレンガの煙突のある酒蔵がある。峰の雪もそのひとつ。
飯豊山の伏流水が敷地内に流れてくる。鉄分を含まず、ミネラルが豊富な水質は酒造りに最適だ。
蔵 大吟醸 1.8L 1,700円
蔵 本醸造 1.8L 1,800円
峰の雪 本醸造 720ml 1,000円
店頭で購入することも可能。
峰の雪酒造場
飯豊山の伏流水に恵まれた酒造り。
喜多方市字桜が丘1-17
TEL(0241)22-0431
見学時間/AM9:00~PM3:00
仕込み水に適した飯豊山の伏流水が流れる土地。
レンガ造りの煙突に黒塗りの外観が目立つ。峰の雪酒造場は昭和29年、大和錦から分家し蔵を始めた。市内では比較的新しい酒蔵だ。酒造名は「四方の春慶雲燗たり峰の雪」の俳句から命名したという。敷地内には池があり、そこに地下水が勢いよく流れている。この水が仕込み水として使われている。
「この通り沿いには7軒の酒蔵があります。ここの水は酒造りにぴったりの水脈なんです」と、4代目蔵元を務める佐藤さんは言った。
飯豊山の伏流水が流れている喜多方。中でもここに流れる水はミネラルが豊富で鉄分を含まないため、酒造りに適した水質が保たれている。鉄分はその成分によって酒の色を濁らせたり、味や香りに悪影響を及ぼすため、酒との相性が悪い。喜多方は昔から酒造のほかにも、味噌や醤油の醸造、穀物などにおいても品質が良いことで知られている町だが、その理由として水質の良さが第一にあげられるのは確かだ。
米と水を知るベテランがつくる。
峰の雪の酒は、屋号をとった「峰の雪」、喜多方の文化を象徴して名付けた「蔵」を中心につくられている。大吟醸から普通酒まで様々な種類があり、甘口、辛口それぞれ味わいは異なるのは当然だが、どの銘柄にも共通しているのは、米の旨みが出ている味だということ。それでいて後味がすっきりしているため、飽きがこない。
峰の雪の酒をつくるのは、下郷町の二人の杜氏と、地元で農家を営んでいる社員。皆15年以上務めるベテランだ。佐藤さんは彼らのことを「信頼できる酒造りのプロ」だと言う。
「地元でつくる米のことも地元に流れる水のことも良く知っている。だから毎年安定した味の酒を出荷できるのだと思います」と胸を張る。
峰の雪の酒は、農家の人が地元の米を愛しているからこそ、米の旨みが引き立つ味わいに仕上がるのだ。佐藤さんには、今年東京農大を卒業した息子がいる。現在新潟の酒蔵で修行中だが、数年後には戻ってきて5代目として後を継ぐそうだ。息子の若い力と発想力でさらに良い酒をつくっていきたい、と佐藤さんは語った。