▲お店外観/藍染めののれんが目をひく。
絵柄にもセンスが光る。
▲計り売りのみそ/国産大豆、会津産コシヒカリ100%を使用。塩は昔ながらのニガリの入った天日塩を用いている。
▲ズラリと並んだみそ、しょうゆ/三角帽子のようなふたがしてあるのが計り売りのみそ。
おらがみそ1kg420円、のれんみそ1kg600円
会津ユタカ醤油1000ml 330円
会津平一円配達、全国地方発送もしている。
▲みそ漬/大根、きゅうり、なすのみそ漬。
ごはんに合う味噌屋ならではの味。
各種1袋500円
▲のれんの前で/久しぶりの青空を見上げて。
「今日は晴れてあたたかいですね」と笑顔の武藤優子さん。
淀屋
喜多方市塩川町字新町185
TEL0241-27-2022 FAX0241-27-8276
営業時間/午前7時〜午後7時
定休日/不定休
18代に渡る老舗の味噌屋
「ここに来てもう60年になりますかねえ」やさしいお顔の武藤優子さんが話しをしてくれた。淀屋18代目、武藤修吉さんのお母さんだ。
「淀屋は江戸時代の半ばに旅館として創業され、その後明治10年に味噌屋になったようです」お店ののれんには創業寛文二年とある。
「お嫁に来たのはちょうど終戦後でした。味噌、醤油は生活に無くてはならないもの。材料も配給という時代で大変でした」職人さんも5、6人いてにぎやかだったという。優子さんは主に帳簿の仕事をし、今は亡くなったご主人を支えてこられた。「父と母と主人と力を合わせて戦後を乗り切りました。無我夢中でしたね」と笑う。
現在は、優子さん、息子さんの修吉さんとお嫁さんの澄子さん、3人の職人さんが従事している。
これはうれしい「味噌の計り売り」
味噌の材料は国産大豆、会津産こしひかり100パーセントを使用。塩は昔ながらのニガリの入った天日塩。「美味しい味噌はダシを入れなくてもいい」という。会津の自然が育んだ豊かな味が自慢だ。
お店で目につくのは量り売りの味噌樽。「うちでは少量でもお売りできるように計り売りもしているんですよ」と優子さん。「少しずつ買っていってその家の合わせ味噌も試すことができますね」これはうれしい。
味噌、醤油の他にみそ漬にも力を入れている。
「うちのは味噌屋のみそ漬。しょっぱいですよ」大根、きゅうり、なす。みょうがや昆布、しょうがもある。近所の農家の方が作っているものをわけてもらっている。ご家庭の食卓へはもちろん、ちょっとしたおみやげにも喜ばれているという。
「女学校時代の友だちと
月に一度の食事会が楽しみですね」
優子さんの接客はあたたかい。やわらかな会津弁で丁寧にお話をされる。電話での注文にもハリのある声でテキパキと応対し感じがいい。
若い頃のことを伺った。「女学校時代はダンスが好きでした。運動会で踊ったことが思い出です。楽しかったですね」
優子さんは喜多方女子高等学校に入学した。「受験科目は面接と体力テストでした」身体を動かすことが大好きだったという優子さん。腕立て伏せと縄跳びで合格しましたと笑う。「戦争が始まり制服のスーツ姿からモンペ姿になった時はなんていうんでしょうね複雑な気持でした」と話した。
今、優子さんの楽しみはお友達との交流。
「今でも女学校時代の同級生と行き来してるんですよ。後輩も交えて8人。月に一度、集まっています。これが楽しみですね」
ちょうど明日がその日だという。「みなさん夜はなかなか出て来れないのでお昼の時間ですが、すぐ近くのお寿司屋さんでワイワイ楽しく盛り上がります」
月に一度の食事会。年を重ねれば重ねるほどに大切で貴重な時間になっていくのだろう。
優子さん、いつまでも明るい笑顔と元気な声でお客さまをお迎えしてくださいね。