このサイトは2001年〜2007年に取材、掲載したものです。現在の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

ティールーム アガペ

手づくりのケーキとマリアージュ・フレールの紅茶で優雅なティータイムを。

大広間

手づくりのケーキには、芳賀さんがつくる七宝焼きやグラスリッツェンに共通する繊細さがある。
イチゴのパイ300円(ドリンクセット500円)

天主の間

清潔感ただよう店内。
ほとんどが地元客で、特に幼い子供を連れた母親達が多い。

十楽

芳賀さんが制作した七宝焼きの作品。
花びらのやわらかいライン、妖精たちの愛らしい表情まで繊細に描かれている。
店内には娘さんが制作した七宝焼きの作品もある。

遺品

毎週火曜・木曜の午前中は、2階でグラスリッツェンの教室を開催。
写真は芳賀さん制作の七宝焼の1つ。

見た目も味も繊細な手づくりケーキを。

「こんなおいしいケーキを作れるなんて、あなたは天才ですね」
カメラマンが絶賛すると「でしょう?」あどけなさを残した女性の顔に少女の笑みがひろがった。

サクサクしたパイ生地。「しっとり」と「ふんわり」が絶妙なバランスを保ったスポンジ。濃厚だがしつこさのないクリーム。
オーナーの芳賀佳子さんが手づくりしたケーキは、繊細なバランスの上に成り立っている。
たぶん、計算したバランスではないのだろう。
しっかりと粉をふるい、ていねいに玉子とミルクを混ぜ、何回もスポンジを焼いて「ベストな焼き時間」をつかんで…。どの過程も手を抜かず、時間をかけてつくった結果なのだろう。彼女がつくるグラスリッツェンや七宝焼きの作品のように。
「ブルーポピーシードのシフォンケーキ」「リコッタレモン」聞いたことがないケーキだと思ったら、
「オリジナルだもの。適当につくったの」
とにっこり。うかがった年齢より若く見える。あどけない印象が強い笑顔だ。

白い陶器のティーカップに注がれた紅茶は、マリアージュ・フレル。やさしい花の香りがする。
「マリアージュ・フレールの紅茶は簡単に喫茶店で使わせてもらえないの。店を出すとき、銀座のお店に写真を送って、OKをもらったの」
昔から大好きだった。だから、店を出すときは、マリアージュ・フレールの紅茶を使いたかった。
「ダージリン」「ヒマラヤ」「スュルターヌ」「アールグレイ・インペリアル」「マルコ・ポーロ」
常時5種類の紅茶を取りそろえているほか、いろいろな紅茶を楽しんで欲しいからと、月替りで珍しい種類の茶葉も取り寄せている。
「アガペ」のブレンドは何故かポットで出てくる。
「最初はお代わり自由にしたかったんだけど、水出しコーヒーだから数が出せなくて。せめて2杯分楽しんで欲しいと思って」
コーヒーの抽出に10時間もかけていると言う。

花びらの中にいるのは、夢見るような表情の花の精。ドアのガラスの中には「愛の弓」を持ったキューピット。
最初に店に入ったとき、蔵を改装したという白い空間が、礼拝堂のように思えたのは「アガペ」の意味を知っていたからだろうか。
Agape(アガペ)=すべてを許す母の愛。神の大いなる愛。
芳賀さんには障害者の娘さんがいる。この店も娘さんのためにつくったものだ。
「いろいろな方にお世話になったから」
かげりのない表情で、芳賀さんはそう言った。

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ティールーム アガペ

会津若松市七日町2-41
TEL(0242)29-6500
営業時間/AM10:00~PM5:00
定休日/月曜
主なメニュー
●本日のケーキ 300円
●ドリンク類 300円
●ケーキ・ドリンクセット 500円
●ランチ(ケーキセット付) 1,200円
※要予約