059 GoGo Round This World !
GoGo Round01

舟部恵さん。
8年ほどパン屋さんで働いていたという恵さん。コーヒーのお供に恵さんの手作りスコーンをどうぞ。
お店の本は、仕入れもしますがほとんどがご自分の蔵書。なんと自宅の一室を本部屋にしていたそうです。読み始めたのは二十歳の頃から。惹かれる人に出会うとその人が書いたものが読みたくなるといいます。

GoGo Round02

渡部曉さん
「週末のみお出ししていた特製カレーが、毎日提供できるようになりました。ぜひ食べてください」と曉さん。
曉さんは、出会った本をきっかけに行きたい場所へ出かけるといいます。
「今読んでいるのは宮澤賢治。彼を感じたくて岩手県の花巻市まで行ってきました。やっと会えたと嬉しかった〜(笑顔)」

GoGo Round03 GoGo Round04 GoGo Round05 GoGo Round06 GoGo Round07 GoGo Round08

GoGo Round This World ! Books & Cafe
舟部 恵(めぐみ)さん
渡部 曉(たかし)さん

どうぞ好きなだけ読みふけってください

我が街にブックカフェが誕生した。
これは嬉しいことだ。考えるだけで胸が高鳴る。
そんな思いを抱えながらお店を訪ねた。店の前でしばしウロウロ。ガラス越しに店内を眺める。
店に入ると、天井まで届く壁一面の本棚が迎えてくれた。
席につくのも後回しに、心はまっすぐに本たちへと向かう。
お客は自分以外に誰もいない。貸し切り状態にどきどきする。
「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ」
声をかけられて我に返り、ゆったりと座れるソファーに落ち着く。ひとりには贅沢な席だ。
さあこれでお茶がくるまで、本を眺めて過ごせる。
本の森をさまよっているような不思議な感覚。本の背表紙を眺めているだけで心はどこか遠くへと飛んでいく。この本たちの「なにかしあわせ」と思わせる存在感はなんだろう。気がついたら数冊の本を抱えていた。どれ位の時間が経っただろう。いつのまにかお茶が置かれていた。
「お待たせいたしました。どうぞ好きなだけ読みふけってください」
テーブルに置かれたティーポットとカップからそんな声が聞こえるような気がした。

ふたりが作る場所

GoGo Round This World ! Books & Cafeは、2015年2月18日にオープンした。立ち上げたのは舟部恵さん。その後、志を同じくする渡部曉さんが加わり、現在はふたりで営んでいる。
ふたりは店舗をかまえる一年ほど前から、各地で開かれる復興のためのライブや本の移動販売、古本市などのイベントに積極的に参加している。
「震災後、各地で開催された復興イベントには、好きで作っている缶バッチを出品させていただきました。缶バッチは店内でも販売しています」
売上げ金は東北復興のために活動する個人や団体に寄付をしている。
恵さんは、缶バッチを求める人や古本市を訪れるさまざまな人たちと交流する中で強く感じたことがあった。
みんな誰かと話をしたいんだ。目の前にいる人の顔を見て話をしたいんだ。そう思った。
そうだ、イベントの場だけでなく本や音楽を通して人が集まる場所が日常にあればいい。人やモノとの出会い、繋がりの場所。自分たちがそれ作ってもいいだろうか。作れたらどんなにしあわせだろうか。
その時に生まれた思いはやがてふたりの願いとなり、目標となっていく。
自分たちが出来ることをしよう。全てを出そう。そう覚悟を決めた。
「この店は私たちの思いだけでスタートしました。自分たちは本屋の知識があるわけではないし、料理に長けてるわけでもない。けれども思いだけは強い。だから毎日、勉強することが山のようにあります。まだまだこれからです」
互いの目を見ながら自分たちの言葉で話すふたりからは、率直で誠実な思いが伝わってくる。

人との出会いは「ガンバル素」 

「イベントでは多くの人との出会いがありました。あの時々の出会いは宝物のようなもの、自分たちのガンバル素です。今でも離れた所からずっと見守ってくれているのを感じます」
ふたりは気になる場所、会ってみたい人がいたらそこを訪ね、話をするということを大事にしている。人との繋がりはどんなことでもいい。言葉を交わすことから始まるのだ。
恵さんはそれまで「私なんか」と物事に対してどちらかというと後ろ向きで前に出ることはなかった。やりたいことがあっても一歩が踏み出せない。
そんな恵さんの背中を押してくれたのは曉さんだ。
物事を始めるには苦手なことも必ずついてくる。それをひとつひとつクリアしなければ前に進めないことばかりだ。
「やりたいことは実は苦手なことばかりです。曉さんはそんな私をいつもさり気なく励ましてくれる」

大好きなアーティスト、フィッシュマンズ

「お店の名前をどうしようと話をしていた時に流れていた曲がフィッシュマンズのGoGo Round This World!でした」と恵さん。
GoGo Round This World ! Books & Cafe。
なんとこの不思議な店名は、ふたりが大好きなアーティストの曲から名付けたものでした。

もう いいよ 歩き出そうよ
ゆっくり進む 秋の日差しを
この体で グッと 感じようぜ
この景色の中をずっと 2人でまわろうぜ
この景色の中をずっと
この景色の中をずっと 2人で歩こうぜ
このゆううつな顔もきっと 笑顔に変えようぜ

1994年にリリースされたこの曲は、33歳で死去した佐藤伸治によるもの。開放感あふれる曲でステージを駆け巡り身体全体で歌う姿が印象的です。
震災後は、ライブハウスに通い詰めていたという恵さん。来る日も来る日も音楽に助けられていたと話します。
そこで出会ったのが曉さんでした。音楽を通して育んできた二人の思いに寄り添う斬新でステキな名前です。

6月25日土曜日の夜にお店で「旅する音楽家」樽木栄一郎さんのソロライブが行われました。
音楽が終わったあとで「ゴーゴーさん」と口にするお客さまたちの会話を耳にしました。
今度また、ゴーゴーさんで面白いイベントがあるそうだよ。
それはいいねえ。じゃあまた会えるね。
ではまたゴーゴーさんで。
恵さんと曉さんが生んだお店は、人と人との出会いの中で少しずつ着実に成長していますkマーク

2016.06.09取材

GoGo Round This World ! Books & Cafe
〒963-8005 郡山市清水台1-6-9
八幡プラザ1号館1階
TEL.024-933-4083
営業時間/12:00~20:00
定休日 /火曜日